議会リポート

2011年6月24日

大島 淡紅子

「ともに生きる市民の会」を代表して、請願第1号「「自然エネルギーによるまちづくり」についての請願」の賛成討論を行います。

この請願の趣旨は、東日本大震災により引き起こされた人災である、原子力発電所の事故により、敷地内の労働者や近隣に住む子どもたちが常時、放射能の危険に晒されているだけでなく、今後数十年にわたり、日本の農漁業・商工業、またヒトや生物の遺伝子にダメージを与え続けて行くことになる。今回の事故の反省を元に、ヨーロッパを中心に舵を切った自然エネルギーを、国や市の基幹エネルギーとすること、そして市全体が省エネルギーに取り組む姿勢こそが、第二次環境基本計画で謳う、「持続可能なまちへの先駆的転換」であると述べています。

自然エネルギーの導入や省エネルギーの推進は、初期投資が必要とは言え、いずれは回収が出来るだけでなく、経済的な支出の抑制、そして何ものにも代え難い、生命の安全の確保が保障されます。また、新たな経済の活性化に繋がっていく―私たちは次世代に負の遺産を残すのではなく、当たり前に幸福に暮らすことが出来る社会を、引き継ぐ責任があります。

そのためには請願者は「市と共に汗を流したい」と述べています。誰もが幸せに生きる社会の実現に向けて、市民を支えていく行政の役割としては、自然エネルギーの研究や取り入れることが出来るものはずべてやるんだという強い意志で、まちづくりに取組んで欲しいと願う市民の思いは当然であります。

行政の答弁は、「2020年度前半には自然エネルギー活用率20%の目標に向け、積極的に取組む」とのことです。また、教育委員会からも「学校教育では、原子力エネルギーについて、子どもたちに正しい知識を得てもらった上で、どちらが有効か、自分で考え判断できるよう指導している」と明確で頼もしいものでした。

今後、市民との協働で、宝塚市が自然エネルギーによるまちづくりを実現するための、本請願に賛成します。

請願第1号 審議経過・結果

6月16日
採択(賛成多数)(文教常任委員会)
6月24日
採択(賛成多数)(本会議)
各議員の賛否(宝塚市議会のページへ)[PDF]

大島 淡紅子

「ともに生きる市民の会」を代表して、請願第2号「環境先進都市宝塚を世界にアピールできるような手塚治虫記念館リニューアル」についての請願の賛成討論を行います。

この請願は、請願第1号と同じく、第二次環境基本計画で謳う、「持続可能なまちへの先駆的転換」をめざす環境先進都市・宝塚を、発信・アピールするシンボルとして、手塚治虫記念館位置づけて欲しいというものです。

科学技術の進んだ未来社会を描いた手塚氏の作品に共通するものは、文明の進歩の陰に、人間が失ったものは何かという問いかけであり、「鉄腕アトム」は、我が子を失った天馬博士が生み出した最高傑作のロボットだが、人間になり得ることはできない嘆きから始まっており、現在の私たちの社会に強いメッセージを放っています。

手塚治虫記念館の、効率性・利便性を追求する現代社会の象徴であるかのような外観とは対照的に自然エネルギーや省エネルギーに配慮した仕様は、正に持続可能な未来のあるべき姿となるのではないでしょうか。

やはりこの請願の中にも「私たちも市と共に汗を流したい」とあり、市民活動団体として30年間エネルギー問題に取組んでこられた知恵やネットワークを生かし、費用をかけずに成果が見える方法を協働できると考えますし、市内にも多くの専門的識見をお持ちの方がいらっしゃいます。

手塚治虫記念館の今後の運営に関しては、財政状況を鑑みて、別の議論が必要となって参りますが、是非市民との協働をめざして貰いたいと思います。

また、請願はより多くの委員が理解しやすいものでなければならないとの議論がありました。勿論、請願者の思いを受け留めて、採択のお手伝いをするのが紹介議員の役割であり、その意味において請願者との相談はまだまだ不足であったかと反省をしています。しかし、本来、請願文は請願者のものであり、請願者の熱い思いや願いを損なってしまう、いわば議員の「作文」であってはならないと考え、請願提出に望んでいます。

以上のようなスタンスを以って、手塚治虫記念館のリニューアルについては、市民と行政との協働が推進されることを願い、賛成討論と致します。

請願第2号 審議経過・結果

6月17日
不採択(賛成少数)(産業建設常任委員会)
6月24日
不採択(賛成少数)(本会議)
各議員の賛否(宝塚市議会のページへ)[PDF]