議会リポート

2011年10月7日

大島 淡紅子

皆さん、おはようございます。ともに生きる市民の会の大島です。

久しぶりにちょっと質問させていただきますので、お聞き苦しい点があるかもしれませんが、どうぞご容赦ください。よろしくお願いします。

  1. 原子力発電所の事故による放射能汚染から子どもたちを守るために

福島第一原発事故は、禁断のリンゴを口にして、アダムとイブが楽園を追われたように、この日を境に人類が大きなやみを背負ってしまったと言っても過言ではありません。ネイティブインディアンが語り継いできた禁断のウラニウムを使い、原子爆弾を、そして平和利用と称してさらに危険性の高い原子力発電にと、次々と手を染めてしまいました。危険を訴える声より利便性や経済効果を選ぶ声のほうが、はるかに大きかったのです。

しかし、失敗を悔やんでいるばかりではどうしようもありません。こうして発言している間にも事態は進行しているのですから、被害は最小限に食いとめる手だてを講じなければなりません。「放射能来ないで」、ことしの七夕の短冊に子どもが書いた言葉です。そこで、お尋ねをいたします。

    1. 災害廃棄物処理の方針

週刊誌Aの8月8日号、震災被災地の瓦れき処分に手を挙げた全国の自治体名に宝塚市が掲載されました。また、時事通信社官庁速報には、兵庫県が瓦れきチップか、焼却灰処理で大阪湾フェニックス計画の埋め立て地を活用とあります。以降、手紙やメール、電話も私のほうにもありました。災害廃棄物処理に対する宝塚市の方針を教えてください。

    1. 子どものいる自主避難者に市営住宅を

現在、宝塚市に避難しておられる方で、市が把握しているのは27世帯71名と聞いています。しかし、この数倍の方が既に避難しておられますし、今後希望者も増加すると考えられます。

去る6月、日弁連も政府及び全国の各地方公共団体は、その他の公営住宅についても、福島第一原発事故が終息するまで福島県の内外を問わず自主避難者が入居できるよう入居基準を見直すべきであると、会長声明を出されています。市のお考えをお聞かせください。

    1. 安全な学校給食を提供するには

本議会の文教生活常任委員会で、食品の放射能汚染測定器の購入と給食食材の放射能検査を行い、数値公表を求める請願が採択されました。できることからやっていく、委員の皆さんの思いだったと思います。

8月、福島の子どもたちが政府関係者に質問をした集会で、「私の夢は去年と全く違います。普通の子どもを生みたい、長生きしたい」と訴えました。子どもたちの親の不安を少しでも減らすためにも、毎日口にする給食の放射能測定と数値公表は必要と考えますが、市の見解を教えてください。

    1. エネルギー政策

省エネルギー、太陽光発電やバイオエネルギーなど新エネルギーの調査研究については、今後の方向性はどうするのか。

市のホームページでは、環境政策課では、次の業務を行っています。省エネルギー、新エネルギーに関すること、市公共施設におけるESCO事業の推進や太陽光発電やバイオエネルギーなど、新エネルギーの調査研究を行っていますとあります。調査研究の進捗状況と今後の方向性についてお答えください。

2番目の質問です。

  1. 兵庫県立高等学校普通科の通学区域のあり方について

です。

県教委は、2003年入試から複数志願制を導入しました。宝塚市では、2007年2月、市民1,497人に総合選抜制度の是非等についてのアンケートを実施。その6月には、宝塚市における高等学校入学者選抜制度等検討委員会を発足。市民の意見聴取の場の説明会も開き、パブリックコメントもとった上、総合選抜制度の成果を生かした複数志願選抜の導入が望ましいとする県への要請書を提出いたしました。

しかし、学区統合等、検討すべき課題が多々あるため、検討委員会のまとめを添付された経緯があります。そこで、お尋ねをいたします。

    1. 兵庫県高等学校通学区域検討委員会中間まとめが発表された時点、これは2010年4月23日発表ですけれども、どういうアクションをとられたでしょうか
    2. この8月に立ち上げられた宝塚市における高等学校通学区域検討会での議論の概要を教えてください
    3. 選抜制度の見直しに当たり立ち上げた宝塚市における高等学校入学者選抜制度等検討委員会のまとめは

についてです。

      1. 県教委にどのように影響を及ぼしたんでしょうか
      2. 検証はなされているのでしょうか
  1. 市立中学校生徒宅火災事案に関する調査専門委員会の提言について

この市立中学校生徒宅火災事件には、過酷な環境に生きる外国人とその子どもたちの抱える課題が凝縮されていると言えます。事件から1年たち、市は調査専門委員会の提言の受け、具体の取り組みも発表されました。そこで、共生という観点からお尋ねをいたします。

    1. 提言後、外国人の権利保障のうち、市の取り組みはどうされるのでしょうか
      1. 労働環境の改善
      2. 日本語教育支援等の一層の充実
      3. 居場所づくり

この3つの観点からお答えください。

最後の質問です。

  1. シンシアのまち宝塚について

障害がある方の体の一部となり、また心の支えにもなっている介助犬。全国で55頭、兵庫県ではわずか5頭とのことですが、この宝塚には2頭も暮らしています。さすがシンシアのまちと言いたいところですが、まだまだ飲食店等での同伴拒否など、介助犬のことをご存じでない方がたくさんいらっしゃいます。そこで、お尋ねをいたします。

    1. 市の考えるシンシアのまち宝塚の意味は
    2. シンシアをシンボライズした成果の検証はされたんでしょうか
    3. 2002年身体障害者補助犬法が成立し、10年を迎える来年を期して、市の計画

をお答えください。

以上です。

中川智子 市長

大島議員のご質問に順次お答えをしてまいります。

まず、原子力発電所の事故による放射能汚染から子どもたちを守るためにのうち、災害廃棄物処理に対する宝塚市の方針についてですが、去る3月11日の東日本大震災によって生じた膨大な災害廃棄物を適正かつ迅速に処理するために広域処理が必要であり、4月8日付で環境省から災害廃棄物の受け入れ可能量の調査がありました。

本市としても、被災地支援の観点から、少しでも力になるべく、分別された焼却可能な廃棄物を破砕し、ごみピットに直接投入できる状態にするという条件で、1日10トン、年間で2,500トンの焼却が可能であると兵庫県を通じて回答しました。この調査の回答を被災自治体に情報提供し、環境省が主体となり、ニーズとのマッチングを行うものですが、現在のところ本市への受け入れ要請の打診はありません。

また、調査時点での災害廃棄物とは、地震、津波等により発生した倒壊家屋等の廃棄物であり、放射能に汚染された災害廃棄物は想定されていませんでした。しかしながら、その後、東京都や千葉県などでも放射性セシウムが焼却灰などから検出されるなど、放射線物質の拡散は予想以上の広範囲にわたり、災害廃棄物の放射能汚染が懸念されるところとなっているものです。

国にあっては、焼却灰、飛灰において放射線セシウム濃度が1キログラム当たり8千ベクレル以下であれば一般廃棄物として埋め立て処理が可能であるなどの一定の基準や、その処理に関するガイドラインが示されましたが、その根拠等について確認が必要な項目が多くあります。

また、本市の焼却灰等の最終処分場である大阪湾臨海広域環境整備センターにおいて、当該焼却灰等の埋め立ての可否について、現在、環境省と協議中であり、明確になっておりません。このようなことから、市としては、放射能に汚染された災害廃棄物の受け入れは困難であると考えています。

次に、子どものいる自主避難者に市営住宅をについてですが、現時点における本市の自主避難者の市営住宅への受け入れについては、東日本大震災により被災し、住宅が全壊もしくは半壊の損害を受けた世帯、または東日本大震災に伴う原子力発電所の事故により、住居が国の指定する警戒区域や計画的避難区域、または緊急時避難準備区域にある世帯のいずれかを対象としています。

したがいまして、この条件を満たしていない自主避難者の受け入れについては、現在、市営住宅の受け入れを行っていません。しかし、事故が発生した福島県内の原子力発電所の周辺では新たなホットスポットが見つかっており、子育て世代の皆さんの間で子どもへの影響を危惧され、現在、受け入れ対象区域外としている地域の方からも一時的でも避難をしたいとの要請を受けている現状があります。

本市としましては、これまで丁寧に基準を説明し、お断りしてきたところですが、被災地での厳しい現状も認識しており、受け入れを前提に原発事故に伴う市営住宅への入居要件について、本市の実情に則した取り扱いを検討してまいります。

次に、省エネルギー、太陽光発電やバイオエネルギーなど新エネルギーの調査研究についての今後の方向性についてですが、地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの排出量の削減は、エネルギー使用の削減を図る省エネルギーだけではなく、使用による温室効果ガスの排出量の削減を図る再生可能エネルギーの導入についても検討が必要です。

省エネルギーについては、平成17年度に策定した省エネルギービジョンに基づき、エネルギー使用量の削減と類似施設への先導的役割を目的として、スポーツセンターにESCO事業を導入したほか、街路灯のLED化についても実施しました。また、太陽光など、再生可能エネルギーの利活用についても公共施設への太陽光発電設備の導入を行ってきました。

地球温暖化防止は、生活スタイルの転換や省エネ機器の導入などの省エネルギーによるCO2排出量の削減が重要ですが、より一層の推進を図るため、CO2を発生しない再生可能エネルギーの利活用についても推進する必要があり、地球温暖化対策実行委員会の実行計画の中で検討することとしています。それらを踏まえ、住宅用の太陽光発電の普及促進など、新エネルギーの導入の推進を図るための調査、検討を行ってまいります。

次に、市立中学校生徒宅火災事案に関する調査専門委員会の提言についてのうち、「提言5 外国人の権利保障」に関する市の取り組みの労働環境の改善についてですが、今回の事案を受け、平成22年10月宝塚市雇用促進連絡協議会において、「外国人労働者の現状と課題」をテーマとした啓発セミナーを会員以外の企業の参加も得て開催しました。また、外国人雇用のルールについての啓発冊子などを企業へ配布することにより、啓発を行っています。

次に、日本語教育支援等の一層の充実についてですが、NPO法人宝塚市国際交流協会がポルトガル国籍等の小・中学生を対象にポルトガル語の教室を「宝塚ジョイア」という名称でくらんど人権文化センターを会場として実施しています。また、市国際文化センターにおいては、外国人対象の日本語の個人レッスン及び教室形式でのレッスンを実施しています。さらに、市内企業に対して同レッスン授業のチラシを配布し、外国人労働者への周知を図っています。

また、来年度に向けて、市内企業の協力を得て、出前日本語講座や生活上の困りごとに関する相談を受ける体制について検討してまいります。

次に、居場所づくりについてですが、「宝塚ジョイア」を運営する母語指導員2人が、市国際文化センターに週2回勤務しており、「宝塚ジョイア」の実施時間以外はポルトガル語の必要な場合に対応するなど、外国人の居場所としてより利用しやすくなるようにしています。

また、児童館での取り組みとしましては、従来から高司児童館で中学生の居場所づくりについて、PTAを中心とした協議の場に地域団体として高司・光明・末成の3つのまちづくり協議会も参画していただいて、地域住民とともに取り組んでいます。

今回の事案後には、子ども家庭支援センター及びくらんど人権文化センターもその協議に加わり、学校、地域、企業、児童館、行政が連携し、外国人が来館しやすい事業の実施に向けて具体的な事業内容を検討しています。

くらんど人権文化センターでは、「宝塚ジョイア」へ通う児童・生徒に子どもコーナー、卓球室、図書室、自習室などの利用を呼びかけ、遊びや学習を通じた居場所づくりに取り組んでいます。また、企業への取り組みとしましては、これまでの啓発活動を踏まえ、今後とも外国人労働者の労働環境の改善に向けて、引き続きセミナー等により啓発をしてまいります。

次に、シンシアのまち宝塚についてのうち、市の考える「シンシアのまち宝塚」の意味についてですが、平成14年5月の身体障害者補助犬法の公布に先駆けて介助犬の啓発や法的認知を求める本市の取り組みの一環として、平成11年3月に介助犬支援プロジェクトチームを庁内に設置し、同年5月、「シンシアのまち宝塚」を宣言しました。

当初においては、介助犬の基準の策定や法整備に関する要望書の国への提出、福祉副読本への「介助犬」の項目の追加、啓発用ビデオの作成など、身体障害者補助犬法の制定に向けた取り組みを推進しました。

その後、第4次宝塚市総合計画が平成13年度からスタートし、その前期基本計画の基本目標の1つである「安全で快適なまちづくり」を推進するため、「シンシアのまちプロジェクト」を重点プロジェクトに位置づけ、高齢者や障がいのある人が積極的に社会参加できるよう、道路、公共施設、公共交通機関などのバリアフリー化を推進しました。

現在の「シンシアのまち宝塚」の位置づけは、第5次宝塚市総合計画の「地域福祉」において、「『シンシアのまち宝塚』にふさわしい、すべての市民が安心して暮らせ、外出しやすい心のバリアフリーを含めた福祉のまちづくりを推進」とし、また「障がい者福祉」において、「ノーマライゼーションの理念に基づき、『シンシアのまち宝塚』にふさわしい、人にやさしいまちづくりの実現を図ります」とし、さらに、宝塚市第4次障がい者施策長期推進計画の「啓発・広報」において、「『シンシアのまち宝塚』をキーワードに、すべての市民が障がいや障がいのある人への理解を一層深める啓発や広報活動を推進します」としています。

このように、「シンシアのまち宝塚」は、当初身体障害者補助犬に特化した取り組みとしてスタートしましたが、その後、高齢者や障がいのある人を対象とするバリアフリー化によるまちづくりの取り組みに移行し、現在は、市民すべての方が住みやすいまちづくりの取り組みとして位置づけています。

近年の具体的なシンシア関連事業については、身体障害者補助犬シンポジウムを毎年開催し、身体障害者補助犬啓発用ステッカーを配布したり、訓練犬を市立の公共施設で受け入れる取り組みなどを実施しており、昨年度から、身体障害者補助犬使用者の負担を軽減し、補助犬の普及を図るため、予防接種、ペットシーツなどに要する費用の補助を行っています。

そのほか、今年度は、飲食店等で補助犬の同伴拒否が発生しないよう啓発ポスターを作成し、広報掲示板等に掲示します。

次に、「シンシア」をシンボライズした成果についてですが、介助犬シンシアの親しみやすい、優しいイメージから受ける有形無形の効果があったものと考えています。例えば、小学校の福祉教育において、児童が介助犬シンシアについて学ぶことを通じて障がいのある人を排除せず、同じ市民として包み込むというインクルーシブな地域社会を形成する上での動機づけの一助となっているものと考えています。

次に、身体障害者補助犬法成立後10年を迎える来年度の計画についてですが、本市が身体障害者補助犬法の制定に取り組んだ経緯があることから、現時点で具体的な事業は確定していませんが、今後、身体障害者補助犬の普及・啓発につながる事業の実施について検討してまいります。

教育に関するご質問に関しましては、教育長から答弁いたします。

伊達達治 教育長

大島議員の教育に関するご質問にお答えいたします。

まず、原子力発電所の事故による放射能汚染から子どもたちを守るためにについてのうち、安全な学校給食を提供するにはについてでありますが、学校給食の提供に当たっては、従来より安全には十分留意し、食材については、原則として国産のものを使用し、添加物や化学調味料などの使用はいたしておりません。

また、東日本大震災以降、5月分からは、給食で使用する食材の産地について公表を行い、市ホームページにも掲載し、保護者に安心していただくよう努めているところであります。

さらに、放射能に汚染された稲わらを飼料として与えられた牛肉が流通していた問題を受け、2学期からの学校給食では、安全性が確認されている兵庫県産等の牛肉を使用することとしているなど、食材の安全性の確保に努めているところであります。

先般の文教生活常任委員会において「食材の放射線被曝における学校給食検査体制」についての請願が全会一致で採択されたところであります。本市としましても、必要な対策についての検討を行っているところでありますが、学校給食の食材は、複数の業者により、各学校に当日納品されていることから、事前の検査は不可能であります。

また、検査を実施するためには、食材の納品の仕組みを変える必要があり、また使用する機器の選定やそれに応じた検査の方法、施設、体制等も含め、さまざまな課題があります。教育委員会としましては、今後、検査の実施については、関係部局との協議も進めながら、検討してまいりたいと考えております。

次に、兵庫県立高等学校普通科の通学区域のあり方についてのうち、まず、中間まとめが発表された時点でどういうアクションをとられたかについてですが、兵庫県高等学校通学区域検討委員会中間まとめは、平成22年4月に公表されました。この中間まとめでは、兵庫県の高等学校普通科の通学区域設定に関するこれまでの経緯、現状、課題、また通学区域の見直しを行うに当たっての観点が挙げられているにとどまり、具体的に新たな通学区域や実施時期等は示されませんでした。

また、同年5月には、高等学校と中学校の学校長代表、教員代表、保護者代表、教育委員会代表、地域教育推進委員を対象として中間まとめについて阪神地区の説明会が開催されましたが、中間まとめの内容を説明するにとどまっていました。参加者も具体案が示されない中で十分な議論にはなりませんでした。そのため、市教育委員会としては、具体案が公表された後に検討することとしており、中間まとめが公表された後、県教育委員会の動静を見守っていました。

次に、「宝塚市における高等学校通学区域検討会」での議論の概要は、についてですが、市教育委員会では、兵庫県高等学校通学区域検討委員会の素案の発表を受けて、市教育委員会内に「宝塚市における高等学校通学区域検討会」を設置し、市としての受けとめや対応について検討を行いました。検討の過程では、素案に示された実施時期と通学区域を中心に議論がなされました。

まず、実施時期については、素案では、遅くとも平成26年から新しい通学区域に変更することが望ましいとされており、現中学校1年生からの実施について示されました。

しかし、本市では、総合選抜制度から複数志願・特色選抜制度にかわり2年しか経過しておらず、複数志願・特色選抜制度の検証が十分になされていない素案について、保護者や市民に十分周知し、意見を多く聞き取ることが必要などの意見が出され、さらに時間をかけて慎重な検討を行ってもらうよう要望することとなりました。

次に、通学区域ですが、素案に示された案では、阪神地域と丹波地域の5学区を統合し、学校数も現在の宝塚学区4校から県下で最も多い校数である29校へとなっています。そのため、場合によっては、遠い学校に通学しなければならないことも考えられるため、通学に要する時間や費用の面で生徒や保護者の負担がかかること、また中学校の教職員にとっても、高等学校の情報を十分把握することが困難な中で、進路指導を行わなければならないという課題があることなどの意見が出されました。

これらの意見をまとめ、新しい学区制度の実施時期については、時期尚早であり、また通学区域拡大についても解決すべき課題であることから、慎重に検討いただくよう要望することといたしました。

次に、選抜制度の見直しに当たり、立ち上げた「宝塚市における高等学校入学者選抜制度等検討委員会」のまとめは、県教育委員会にどのように影響を及ぼしたのか、についてでありますが、市教育委員会は、平成20年2月に県教育委員会に宝塚学区における公立高等学校入学者選抜制度の改善について要請書を提出いたしました。

その中で、長年採用されてきた総合選抜制度が、多くの成果を上げながらも、移住地域で進学する高校が決定されてしまうため、ほとんどの生徒が自分の意思で進学先の高校を選択できていない等の課題が生じてきており、その解消を図るために、複数志願選抜制度と特色選抜制度を導入することを要請しました。

あわせて、宝塚市における高等学校入学者選抜制度等検討委員会のまとめも資料として提出いたしました。その結果、平成22年度入学者選抜から宝塚学区に複数志願選抜制度と特色選抜制度が導入されました。

次に、市として「検証」がなされているかについてですが、市教育委員会としましては、平成20年度に「新しい選抜制度のあり方研究会」を立ち上げ、新しい選抜制度を導入した際に生じるであろう課題を議論し、加算点、学区拡大、高校の特色化について適切に対応してもらうよう、平成21年1月に県教育委員会に要望書を提出いたしました。

新制度の導入後は、毎年宝塚学区の高校の新入生・保護者・高等学校長・中学校長に対し、県教育委員会がアンケートを実施しており、高校生活の充実度や選抜制度の理解度、志願校決定の理由、進路に対する意識の変化などの調査を行っております。その結果によると、複数志願、特色選抜制度により入学した新入生の8割以上が、入学後の高校生活に肯定的な回答をしています。

また、中学校からは、複数志願選抜制度及び特色選抜制度の導入以前と比べ、「生徒や保護者が高校の特色について関心を持つようになった」、「保護者が、子どもの学習成績について学校によく相談するようになった」などという内容の報告があり、複数志願、特色選抜制度が定着してきていると認識しています。

今後につきましては、進路指導協議会や中高連絡協議会の中で、関係者とのさらなる情報交換を継続的に図りながら進路指導の一層の充実に努めてまいります。

以上でございます。

大島 淡紅子

丁寧にお答えをいただき、ありがとうございました。

まず、

  1. 原子力発電所の事故

の関係のほうからいかせていただきます。

廃棄物処理の問題です。この件に関して、少し注意をしておかないといけない動きがあると思います。来年4月施行の放射性物質環境汚染対処特別措置法、特措法が成立をいたしました。この特措法の内容ですけれども、放射性廃棄物の広域処理を推進するということ、それから汚染土壌の除染ということについて言及をされているということです。

けさも、NHKのニュース番組の中で言っておりましたが、いよいよ具体的に専門業者によって除染ということがなされていくということです。そのための説明会にも当初見込んでいた人数の倍の業者さんたちが集まってきて、業者だけではないんですが、集まってきたというふうに報道されていましたが、実際のところ、そのマニュアルどおり除染やってみると、いろんな問題点が出てくる。

高圧の水の処理です。それで建物などを洗うんですけれども、それによって風が吹くともうご近所さんたちに、本当野中の一軒家ではないので、飛んでしまう。それから、せっかく地域を挙げて側溝の掃除をしたところだったのに、掃除というか、除染をして表土をはぎ取ったところだったのに、またまたそれを流してしまうということで、本当に大変な問題になってきているなと思います。

この産業廃棄物の広域処理というのは、放射能汚染の拡大ということにつながってしまうので、今後もちょっと推移をよく見ておかないといけないなというふうに思っています。

今のところ、こちらのほうには来ておりませんが、やはり瓦れきということで処理をしてしまうと、その焼却灰をどうするんだとか、それからバグフィルターがある処理場ということで言われているようですけれども、じゃバグフィルターのところにたまってしまった放射能はどうするんだ、それから汚泥もかなり高濃度の放射能が検出されていますので、それを一体最終的にはどうするんだという本当に国を挙げての問題になってくると思いますが、慎重に取り組んでいただきたいと思います。明確にお答えをいただきましたので、市民の皆さん方にもぜひわかっていただきたいなと思って質問をさせていただきました。

それから、

  1. 子どものいる自主避難者に市営住宅を

という件ですが、こちらのほうも少し調べてみますと、県外に避難する子どもたちは数万人に上っているというふうに言われております。例えば、郡山市内 を見てみますと、六百数十人中の子どもの中、百数十人がもう転校しているという学校もあるというふうに聞いています。避難をサポートする民間プロジェクトも、幾つも立ち上げられました。そういうところから情報をいろいろもらっています。

夏休みを利用しての県外の一時避難、保養という募集に対しては、本当に何万人もの子どもと保護者たちが要望されています。2学期になって戻ってこないという方たちも、多数おられると聞いています。避難区域以外の住民が避難しても、しかし援助や補償というものはありません。

また、保護者の労働条件、生活条件などさまざまな要因で避難したくてもできない人たちというのが、本当に問題です。また、避難しても避難先での生活困難ということが大きく問題として取り上げられます。

実際、私のご近所でも、お孫さんを連れてこられている方がいらっしゃるんですけれども、ご夫婦間での考え方が異なっておりますので、その後にお父様が連れ戻しに来られたというような、そういう状況もある。家庭内での不和、またおじいちゃん、おばあちゃんたちの世代との家族のきずなということに本当に大きく言及してくることもたくさんあると思いますが、受け入れるところがあるというふうに、受け入れてもらえるところがあるというふうに思っていただくことが、本当に大切じゃないかなというふうに思っています。

自主避難に行政による補償や支援を今受ける権利を求めて原子力災害本部との交渉も粘り強く進めてこられた「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」によりますと、因果関係はわからないけれども、5月以降こどもの鼻血、風邪にかかりやすい等、健康相談がふえたというふうにおっしゃっています。鼻血だけでも800件の相談があるということです。

少しでも、こちらから放射能の影響を受けないような地域に子どもを避難させたいと思う親、それから一番最初の意見のところでも申し上げましたけれども、子どもたちが、やっぱり今までなかったような心配が出てきてしまって、不安が出ているということ自体、本当に大変な問題になっておりますが、そんなときに市長の答弁、英断に本当に感謝をいたします。ありがとうございます。

一つ要望なんですけれども、震災直後にも訴えてまいりましたが、阪神・淡路大震災のときでもそうでしたが、やはりつらい現実を乗り越えるための心の支えという、動物ですね、ペットも同居にということもご配慮いただき、研究していただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。

それから、

  1. 安全な学校給食を提供する

ということでございます。質問をしたいと思います。

現在、学校給食を提供する業者ですけれども、当日納入というふうにお聞きはしております。大体、何業者ぐらいで、しかもその業者すべてが当日買い付けをしているかどうか、お答えください。

久後昌敏 管理部長

業者さんに関しましては、それぞれの種類にもよるんですけれども、例えば野菜類、青物関係の業者さんですと13業者さん、これは市内業者さんが中心になってございます。鶏肉関係で言いますと4業者さん、これは市内業者さんと近隣都市の業者さん。牛肉関係で言いますと、市内が中心で7業者さん。生鮮関係でいきますと、そういうことになるんですけれども、基本的に朝の8時15分から9時30分ぐらいの間に納品をいただくという、そういうシステムをとってございます。

すべてがすべて当日買い付けかどうかまでは把握はできておりませんが、基本的には生鮮類でございますんで、当日早朝の市場で買い付けをなさっておられる部分が大半ではないかなというふうな考え方でおります。

大島 淡紅子

調べたところによりますと、すべての業者は当日買い付けをしているのではないというふうに聞いています。大きい業者は、保管するところの場所がございますので、前日に納入してということでいくんですけれども、問題なのは、やはり小規模な業者さんです。保管する場所がないということもあるし、またやはり新しいものということで当日の朝買い付けに行っていただいているということですけれども。

それも、工夫次第では、例えば地域を厳しく限定するとか、それから少しどうなのかということであれば、グレーゾーンということであれば、そこでしかとれない食品というのもあるんですけれども、その品目に関しては献立に極力使用しないでいいような献立を使うということとか、そういう工夫は幾らでもできると思うんですね。他市でも、実際そういう工夫をされております。

検査の先行市ということでちょっとご紹介させていただきたいんですが、茨城県の龍ヶ崎市です。こちらは、農政のほうが主になってされております。午前と午後に分けておられまして、午前中のほうが市民が5件はかることができる。それから、午後からが給食の食材の検査ということになっています。毎日、2、3種類検査をされているということです。

よく聞いてみますと、ここの主要産物はお米なんです。ですから、お米の安全性を広く検査して周知するということで皆様方にこの安全性を知っていただいて、またお米の購買のほうにつなげるということも大きな目標のようにおっしゃっておりました。

それから、東京都の小金井市です。小金井市は、自校方式でやっています。先ほどの龍ヶ崎市は、センター方式で検査をされています。小金井市はうちと一緒の自校方式なんですが、市民の検査団体と契約をされています。これは、無償ということで契約をされております。1検体なんですね、しかも週3回なんです。

こちらのほうは、すごい実績がありまして、もう21年前、多分チェルノブイリの事故に関連して購入されたと思われます。それ以来、ずっと続けておられるということで、ノウハウもよくわかっておられますし、実際にすべての食材調べているわけではないんです。

少し心配な食材だけということになれば、本当にわずかな、基準が、それがそこの市によって多分違うと思います。今まで、放射能が基準値以上のものを検出されたものに特定するとか、その自治体によって違うと思うんですけど、そのやり方でいけば、そんなに多い食材ではないというふうに聞いております。

検査方法とか、場所のことになりますけれども、これは、窓がなくて、できれば一定した温度管理ができるようなところで検査するのがやっぱり正確な数値が出てくるということですので。

この市庁舎で言いますと、例えば地下ありますね、地下の電気室ですけれども、地下室なんか、地下階なんかをちょっと検討していただけたらなというふうに思っていますし、水道の中にも窓のない部屋というのもあるんじゃないかなというふうに思いますし、本当に2畳ほどの部屋で十分検査できますので、どうかできないというふうに最初から決めつけないで、いろいろ研究をしていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

それから、そもそも学校給食というのは、食を通じての教育ということで位置づけをされていると思います。この検査機を購入することによって、放射能というのは一体何だろうかとか、なぜ給食を測定しなくてはいけないのか。内部被曝のことに関してとか、流通の問題、それから食品の特性とか、風評被害というのは一体どういうことなんだということについても、本当生きた教育になると思うんです。この食教育ということに関してどういうふうにちょっと考えておられますでしょうか。

久後昌敏 管理部長

さまざまご提案やらご紹介をいただきながら、ごもっともな部分の話ばかりなんですけれども、こういう今回の日本全国で起こっておるような懸念される事案、こういったことも含めてやはり食育というふうな部分には、やはり取り入れて、子どもたちにもきちっと伝えていかなならんというふうなところの部分は共感させていただけるところでございますんで、そういうことも含めて検討もさせていただかないかんなというふうに考えます。

大島 淡紅子

はい、ありがとうございます。

また、学校給食というのは、今食育ということだけでなくて、この社会情勢の中、子どもの食生活のセーフティーネットとなっているというふうに考えます。たかが3食の食事のうちの1食ではなくなっていると思います。大きな意味を持ってきている、そういうふうに考えます。

生産物というのは、出荷してしまうと、その先が本当にどんどん広がってしまって、検査の方法も本当に煩雑、複雑になってきてしまいます。それは、本当に全量検査なんていうことになると、もう不可能に近いですし、また先に行けば行くほど漏れがやっぱり多くなってくるというふうに思うし、不正確になっていくと思うんです。ということは、やっぱり出荷段階で、生産地で測定するのが一番合理的だというふうに考えます。

風評被害についても、逆に安全というブランドになっていきます。測定ということは、本当にいろんな大きな意味があると思います。測定公表ということです。

市長は、学校給食が子どものセーフティーネットということも踏まえて、ぜひ出荷段階での徹底した測定と結果の公表ということを国のほうに要請に行っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

中川智子 市長

やはり、一義的には国の暫定基準の問題もありますし、国がしっかりとした検査をするというのは、一番大事なことだと思います。それは、要望はしてまいります。そして、また自治体としてできることということも今後しっかり検討していかなければいけないと考えています。

大島 淡紅子

どうぞよろしくお願いします。

やっぱり、行き着くところというのは、生産者と消費者の顔の見える関係だと思うんです。この間、ずっと訴えてまいりました地場産食材というのが、学校給食で提供できるようさらなる努力をお願いしたいというふうに思います。

続いて、省エネルギー、それから新エネルギーの問題です。

今回の再生可能エネルギー特別措置法が成立したということで、新エネルギーの開発や実用化、また量産に弾みがつくというふうに期待しているところです。最近の近隣市でちょっといろいろなニュースがありますので、ご紹介させていただきます。

茨木市では、冷蔵庫工場の跡地に東芝がスマートコミュニティを構築するということを計画しているというふうに報道されています。また、西宮市でもアサヒビールの西宮工場の跡地で市が新エネルギー導入といった自然環境への配慮や防災拠点としての機能を付加したにぎわいのある町並みを形成するというふうに発表されています。

そこで、宝塚市も、お隣のNTNの跡地に孫氏の提唱されている自然エネルギー財団のメガソーラーの計画など、ちょっと研究していただいて、また少し考えていただけたらと思っております。これは、要望にしておきます。

それから、エネルギー面というだけでなく、財政効果ということで、2004年の電力の小売の自由化で特定規模の電気事業者が全国に46社あるということ、いわゆるPPSです。こちらのほうでは、立川市では、2010年度、1年間で1,700万円程度電気代が削減になったということですから、ぜひ研究をしていただきたいと思います。

先日の新聞を読んでおりますと、国連の非公開会議で国際環境NGOが、最も後ろ向きな国に対して贈る賞ですが、化石賞に原発輸出を主張する日本を選んだというふうにありました。大変、不名誉な賞です。

市長は、関電に要請をされました。内容は、脱原発と自然エネルギーへの転換、このようにとらえてよろしいでしょうか。

中川智子 市長

ちょっと、経過もあわせてお答えをいたします。

6月30日の関西電力への要望では、再生可能エネルギーなどの代替エネルギー開発により、段階的に原子力発電から脱却するエネルギー政策の転換と電力の安定供給の実行を強く要望いたしました。

報道等によりますと、関西電力管内では、供給電力に占める原子力発電の割合が他の電力会社に比べて非常に高いという現実がございます。現代の市民生活や経済活動などにおいては、電気はなくてはならないものですけれども、このたびの福島第一原発で発生した事故のように、危険性が露呈した原子力発電に今後も依存する場合、安心して住み続ける社会の実現は難しくなる、そのように思っております。

宝塚市としましては、平成8年に環境都市宣言を行っています。宣言にもありますように、このすばらしい環境を将来の世代に引き継いでいかなければなりません。そのため、10月26日を皮切りに3回の予定で、ことしの10月26日をスタートとして、3回の予定で原子力や再生可能エネルギーなどをテーマにした環境セミナーを開催しまして、そのような催しなども通じ、今後市民の方とともにエネルギーや環境全般についても一緒に考え、行動していきたいと思っております。

エネルギー政策は、国全体の問題ではありますが、地方自治体として何ができるか。ほかの先進自治体の例もございます。そこをしっかり職員も勉強しながら、これから検討をしてまいりたいと考えております。

大島 淡紅子

市民の皆さんと一緒になって、しかも職員の方も一緒になって勉強をしていくという姿勢、重く受けとめたいと思います。

今現在、稼働している原発11基ですから、このまま来年定期検査に入る原発を待って休止をしていけば、全部2年間でとまるというふうに専門家の方もおっしゃっておりますので、私は、そういう行動をとっていきたいと思っておりますので、またいろいろ研究のほうもよろしくお願いいたします。

それから、今度高校のほうの問題にいきたいと思います。

2010年4月の中間まとめのほうですが、この中間まとめの中には、当委員会としては、生徒にとって望ましい選択肢を確保するとともに、これらの課題を解決し、魅力ある高校づくりをさらに推進、発展させるためには、学区を統合し、通学区域を広げる必要があるというふうに、これ明言しておられます。この県のほうの中間まとめは、そのように言っておられる。

それに対して、市の検討委員会のまとめのほうでは、他の学区との統合については、以上のように急激な変化による混乱は避けたいということから、高校の特色づくりの状況なども検証しつつ、引き続き検討していく必要があるというふうに言っております。

作業部会まで設置して、その後新たな選抜制度のあり方研究会においては、単一の学区と統合することのメリットは考えにくいと、学区の統合について慎重に検討を要望し、いずれも拙速な学区統合には否定的な見解を県のほうに出しておられるんです。

これに対しても、先ほどちょっと影響はどうですかというふうに聞いたんですが、そのまま無視というか、されて、そのまま上がってきているということなんですけれども、これだけ言っているんですから、他の自治体でもこの中間まとめの即後に意見書を出しておられる市なんかもございますけれども、このときやっぱり即刻くぎを刺すためということではないですが、要請書を提出する必要があったんじゃないかというふうに思いますが、そのちょっと整合性はどう考えられますでしょうか。

荻野勝彦 学校教育部長

今、言われましたように、総合選抜から特別選抜にかわって、学区の拡大のことなんですけれども、私のところは、定着するところまでは今の学区でという形で、今これで3年目を迎えておるわけです。当時、中間のそのまとめが出たときには、急激にこのような、具体的なところで言いましたら、例えば4校から29校という、あるいはこちらも予想しないような大きな素案というのが出てきました。

それで、子どもたちの様子から言いましたら、今やはり宝塚は、自分でしっかりと学校を選んで受験してと、目標を持っていくという形が定着しつつある中で、急激な拡大については、やはりこれは時期尚早と思っておりますので。

そのあたりを、今言われたみたいに、当時中間まとめのときに、1つは、それは要望するというか、県に上げることも必要だったかもわかりませんが、そのときにはそういう具体的なものが全くわからない状況でのものでしたので、当時は見合わせていって、実際ことしの6月30日に具体案がおりてきましたので、即対応していったというような次第でございます。

大島 淡紅子

具体案はなくても、もう学区を統合し、通学区域を広げる必要があると言い切っているんですから、やっぱりそれに対しては、少しご意見をやっぱり出しておくべきだったんではないかというふうに、私は思います。

それと、もう一つ、ほとんどの市民の方は、今高校の学区が統合されるということはご存じないんです。先ほど、答弁の中では、市民の方にもお知らせしというようなこともおっしゃっているんですけれども、市として、保護者の方にはお手紙配られました。ですけれども、教育委員会として、ほかのアクションというのは何か広報という形でとられたでしょうか。

荻野勝彦 学校教育部長

当時、県からの指示は、まず保護者全員、小・中学校の保護者全員には素案をお配りして、また県のほうもパブリックコメントでいろんなご意見をという、集約をするという形だったんで、それはお配りしました。

それと、説明会があったんですが、ここにも書いてありますが、説明会では阪神地区で、伊丹で1カ所しか、当時ありませんでしたので、それではやはりこちらも不十分だと思っておりましたので、宝塚市で説明会を開いていただくように、これも予定を組みまして、これも保護者と多くの方にお知らせして来ていただいたと。大体、100名の方が、当時来ていただいたんですが、いろんなご意見をいただいたという形にしております。

ただ、あとは新聞等にはそれぞれ出ておりましたんで、それで市民の方は知っておられるのではないかという形で、直接それ以外の方に市教委のほうとして、何か広報等を通してすべてお知らせしたというところはございません。

大島 淡紅子

広報、市としてはされていない。新聞もしくは県のほうのホームページとかでのお知らせというお答えだったと思います。

あと、宝塚市における高等学校の通学区域検討会、8月に立ち上げられて検討された分ですけれども、これに傍聴に行きたいということであれば、傍聴はちょっとできませんということだったんですが、一応その傍聴不可の理由を説明してください。

荻野勝彦 学校教育部長

本来であれば、学識経験者とか、いろいろしっかりとした検討委員会を立ち上げて本当はやるべきだったんですが、6月30日に知らされまして、意見を一つまとめて県のほうに報告するのに、実際のところ1カ月少しの時間しかありませんでした。そのために、内部協議として保護者の代表の方2名、それから校長先生3名、それから教員3名、私ところ事務局入れましてそれぞれの意見を集約した形にしました。

だから、こちらのとらまえとしましては、内部のいろんな意見を集約したという形にしましたので、傍聴はちょっとご遠慮いただくという形にした次第でございます。

中身のことですが、中身はここ、要望書に書きまして、2つ、実施時期とそれから通学区域についてという形なんですが、ただ単に結論だけを書かないで、当時出た意見、それをできるだけ網羅して、理由づけもして県のほうに要望書として提出したというふうな次第でございます。

以上です。

大島 淡紅子

要望ということで書いてあったので、私も、傍聴に行きたいということを申し上げたときには、議事録を公開しますから、そちらのほうを見てくださいというふうにおっしゃっていたんですが、結局議事録公開というのは結果の要望書を見てくださいということで認識してよろしいんでしょうか。

荻野勝彦 学校教育部長

そのように理解していただけたらありがたいと思っています。

大島 淡紅子

あと、9月15日の神戸新聞のほうに、教育長のアンケートというのが出てしまったんですが、これもどちらとも言えないというふうに、この宝塚市は載っています。そういうことも含めて、ぜひ広報の教育のページというのがありますから、そちらのほうにこの今回の詳細、どこまで詳細に書けるかわかりませんけれども、ぜひ載せていただきたいなというふうに思っています。

一番問題なのは、幾つか先ほど言及されましたけれども、学区拡大によって生徒が集まらない学校が複数出てくるんではないか。県の高等学校進学率が98%で、ほとんど義務教育の今という状態にあるんであれば、本当は選択というのは不要です。地域の学校というのが、逆にその意識というのが皆さんに薄れてくるということを、校長先生も心配をされておられます。それを考えますと、高校の、普通科の県立高校の統廃合を進めていくことがねらいかなというふうに、私はとらえています。

このような社会情勢、子どもの貧困が大きな問題になっている社会情勢に全く反するような県教委の考え方はちょっと許すことができません。

子どもの貧困の問題ですけれども、先ほどもおっしゃっておりました第一志望に合格した生徒の割合は、1年目より2年目のほうが高くなっている。それから、新しい選抜制度に対するこのことは、新しい選抜制度に対する生徒、保護者、学校関係者の理解が深まってきているというふうにおっしゃっておりましたけれども、これは、私は、ちょっと認識が違っていると思います。

市内の中学校の進路別卒業者というのを見てみますと、この3年間で私立の高校に行った子が459人から434人と減っています。それから、それに反して公立の高校に行った子たちは1,093人が1,116人になっている。それから、定時制は44人から46人、ほとんど変わりませんが、通信制、これが25人から56人になっているという。2008年のリーマンショック以来、やはり日本経済のダメージが子どもに大きく影響して、公立志望という傾向は、もうどこの自治体でも全部高まっております。

現場のことを言いますと、この受験校を新しく選択するときに、合格のボーダーの子どもたち、ボーダー周辺でない子どもたち以外の子たちも、やっぱり安全策をとって本来合格する学校であってもワンランク下げて受験をしようという傾向になっていると思います。だから、第一志望に、行きたい学校に行けるというこの言葉は、やっぱり本来一番行きたい学校じゃなくて、一番受かる確率の高い学校になってしまっているから、全然行きたい学校になっておりません。この辺が、大変問題だと思います。

しかし、今回、市教委さんのほうも市民も入った、しっかりした検討委員会を素早く立ち上げて県要望につながったという、このことは本当に高く評価したいと思います。

しかも、その中身の中で、このような課題が解決されない中での実施については到底受け入れることはできません。また、通学区域の規模や学校数など、地域や本市の実態を十分に踏まえていただき、生徒にとってよりよい進路選択につながるよう慎重にご検討いただけるようお願いするというふうに厳しくくぎを刺しているので、これは本当に評価したいと思いますので、今後とも市民の声をきちんと聞いて、また情報公開にもちゃんと努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

続いて、市立の中学校生徒の火災の事案です。

労働環境の改善ということでお答えをいただきました。入管法の改定で、日系人というのが90年代から激増しております。本国では、日系人経営の旅行者により送り出された日系人たちが、ブローカーと呼ばれるあっせん業者の仲介で直接製造業や、また業務請負業者により生産工程ラインに送られるという、そういうことになっています。

ということは、実際住んでおられる地域社会というのはもうスルーしてしまって、存在も認知されにくい、労働環境も早朝から深夜にまで肉体を使う労働ということで、日本語を学ぼうというふうにもなれないし、必要もないし、機会があることも知らないような状況にあると思います。

労働者の人権というのは、これはありません。業務請負業者と工場と契約のときには、多くは、窓口は購買部門、調達部門になっておりまして、労災事故が発生しても、購入した部品のふぐあいというような伝票処理を起こしておるところもあります。

労働環境の改善のところで相談ということに言及をされておるんですが、異文化間生活相談、外国人市民相談の状況というのは、いかがなものでしょうか。

樋之内登志 産業文化部長

現在、宝塚市の国際交流協会にお願いしまして、外国人等に関する相談事業を2事業実施しております。1つは、異文化間生活相談といいまして、これは海外からの転入者に対して、その生活相談を行っております。これは、国際文化センターで週に5日、10時から12時、さらに土曜日は午後も実施しております。これは、日本語、英語のほかにハングル、中国語、スペイン語、ポルトガル語などにも対応できるようにしております。

もう一つの事業は、外国人市民相談というのをやっておりまして、これは市役所において月1回の相談でございます。これは、要予約でございまして、第1火曜日にやっております。

以上でございます。

大島 淡紅子

件数を少しお聞きしたかったんですけれども、外国人市民相談のほうに関しましては、調べてみると1件ということでした。もう、本当件数がどちらもちょっと余り多くないんですね。多分、これはもう働いている条件からして、来てくださいと言っても無理な条件の方がやっぱり明らかに多いんじゃないかというふうに思います。

学校のほうも、ちょっと聞いてみますと、子どもさんとの懇談をするときにも、おうちのほうへ出向いていくとか、そういうこともうされているというふうに聞きますので、ぜひ職場とか、それから地域の施設へ出向いていっていただくということをお願いしたいと思います。

それから、日本語教育支援の一層の充実ということですが、この事業での取り出しとか張りつきというのは、本当に大切だと思うんです。これは、聞いてみますと、実施しておられるということですので、ぜひ今後もしっかりと続けていただきたいと思います。日本語をやり直すということが、とても大切じゃないかと思います。

まず、子どものときの、学齢前に、人間というのは大体7千語ぐらい頭に入っているらしいんですけれども、それがまず入っていない。それでわからない上に積み上げて勉強していくから、全然わかってこないということ。それから、基礎学力自体もないということがあります。言葉を聞いて数式、式に置きかえるという抽象能力を形成することが大切だというふうに、外国語の教師の方たち、先行している市の先生たちは皆さんおっしゃっていますので、ぜひこれ考えていただきたいと思います。

あと、市民と、それから市との連携は非常に強いというふうに聞いておりますが、ぜひ市教委と国際文化センター、それから子ども家庭支援センターとの協力を、連携をお願いしたいと思います。

それから、シンシアのことですが、ぜひ宝塚でもっと活用していただきたいと思います。看護学校も、それから医療大学もあるんですから、ぜひ小学校、中学校だけじゃなく出向いていただきたいと思います。

以上で私の質問を終わります。