議会リポート

2011年10月13日

大島 淡紅子

請願第7号「沖縄県において明確にされた普天間基地の県内移設反対・撤去の住民意思を尊重し、国の政策立案・実施に反映することを求める意見書の提出及び決議を求める請願」の賛成討論を、紹介委員を代表し行います。

この請願は、2010年9月議会に提出されたものの12月・3月と継続審査になり、少し形を変えて2011年6月議会そして9月議会に提出された経緯があります。

今年の6月議会に提出された請願は、767名の方の署名もありました。その内訳は、沖縄県に縁のある方も居られましたが、大多数は関係の無い方とみられます。

普天間基地の問題は大きく4つ上げられます。

  1. 飛行場の危険性について

1959年6月30日宮森小学校米軍機墜落直撃事件(児童11人・住民6人死亡、210人重軽傷)、2004年8月13日沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件(乗員3名負傷、少しずれれば大惨事)が本土でも知られる事件です。

  1. 日本の財政負担の問題

思い遣り予算は1995年2714億円を頂点に、2010年度1,881億円、それとは別に基地周辺対策費1,737億円・沖縄に関する特別行動委員会関係費169億円・土地の賃借料1,656億円・米軍再編関係費909億円・基地交付金378億円と昨年だけでも6,730億円が発生しています。

  1. 日米地位協定の問題

復帰以降の検挙件数は殺人・婦女暴行等凶悪犯罪を含め、5,000件を超えています。復帰前(1956年)では年間1,000件にも上っていたようです。全ての事件・事故数は、1952年〜2007年までの55年間では20万件、事件に巻き込まれた日本人の死亡者数は1,076人です。この基地は、朝鮮戦争・ベトナム戦争・アフガン戦争・イラク戦争と最前線に向かう兵士たちを、人の心を無くした殺人マシーンに仕立てる場所ですから当然であります。しかし問題なのは、1985年〜2004年の20年間で、米軍法会議にかけられた者はたった1人、懲戒処分者も僅か318人。更に1953年の密約により、日本は97%の事件の裁判権を放棄していました。

  1. 環境問題

飛行場移設予定地 名護市辺野古、絶滅危惧種ジュゴンの棲む豊かな環境の破壊です。

しかし、一方では沖縄県民所得の5%、1,800億円が基地経済に依存するという現実もあります。そんな事実が在りながらも、2010年5月アンケートでは、海兵隊駐留について71%の県民が「必要ない」と言っています。

沖縄の問題は他人事ではありません。

この度の原子力発電所事故の問題と同じで、戦中唯一の地上戦では楯とされ、その後も引き続き沖縄に危険を押し付けてきた我々としては、現地の人々の「経済面より安全面を選択する」姿勢を、願いを支え、自らの問題と捉えていくべきと考えます。

熟議の結果、県民の思いを受け留め、請願者の願意を汲んだ総務委員会の判断を支持し、賛成を致します。

審議経過・結果

9月9日
趣旨説明(総務常任委員会)
9月26日
趣旨採択(賛成多数)(総務常任委員会)
委員会での審議(宝塚市議会のページへ)[PDF]
10月13日
趣旨採択(賛成多数)(本会議)
各議員の賛否(宝塚市議会のページへ)[PDF]
趣旨採択とは、請願の本旨である「項目」は認めることはできないが、願意は受け留めて市民の思いを尊重するという意味です。