議会リポート

2013年7月3日

大島 淡紅子

決議案第11号「橋下徹大阪市長の「慰安婦に関する発言」等に対する決議(案)」について、賛成の討論をします。

橋下市長による「慰安婦制度は必要だった」「海兵隊は、もっと風俗を活用して欲しい」旨の発言は、多くの良識ある国内外の人々から激しい批判を浴びています。それに対して橋下市長は、発言の撤回や謝罪するどころか、責任を報道に転嫁し。論点を外した発言を続けています。

公職にある者は、その影響の大きさを鑑みても、率先して人権侵害に立ち向かわなくてはならない立場であることを、常に自覚しなくてはなりません。ましてや、政党の代表で市長という要職にある人自らが、人権を侵害している事実を、他の自治体であろうと、自分が所属しない政党であろうと、同じ公職である議員として、以下の理由で看過してはならないと考えます。

  1. 女性は、男性の性のはけ口で、人格とみなさない人権侵害
  2. 慰安婦制度は国際法上、当時も今も犯罪であるのに、容認している
  3. 風俗業及び従事する女性を貶める差別発言
  4. 女性を宛がえば男性はおとなしくなるという、男性への侮蔑

橋下市長の発言に対し、大阪市は6月29日、国内で少なくとも30の地方議会が抗議や非難の決議をしたことを明らかにしました。

また国外では、同市の姉妹都市であるサンフランシスコ市議会が、非難決議案を全会一致で採択していたことがわかりました。

それだけでなく、国連の拷問禁止委員会は5月31日、慰安婦問題を巡る日本維新の会の橋下代表の発言を受けて、『事実を否定し、元慰安婦を傷つけている』と日本政府に、こうした発言に反駁し、慰安婦問題の法的責任を認める是正を求めました。

ノーベル平和賞受賞の女性活動家5人も、連名で発言を強く非難、撤回・謝罪を求める声明を発表しています。

このような状況から、橋下市長の暴言を放置することは、国際社会からの信用を失うことにもなります。

宝塚市は、人権尊重宣言都市であり、また全国初の男女共同参画宣言都市を標榜しています。その中に、「人権は市民ひとり一人の不断の努力により守り築かねばならないとあります。市民の代表である市議会から先ず声を上げるべきと考え、決議案を提出いたしました。

我が市議会は伝統的に、「ならぬものはならぬ」と、イデオロギーや党派の壁を越え、決断を下して参りました。

殊に、日本軍慰安婦問題に関しては、日本の地方議会で初めて、政府に意見書を提出した経緯があります。この度の決議案についても、議員ひとり一人のご英断を以って、賛成いただくようお願いします。

以上、賛成討論といたします。

審議経過・結果

7月3日
可決(賛成多数)(本会議)
各議員の賛否(宝塚市議会のページへ)[PDF]